029-828-8993
〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-7-8グランシャリオ竹園101
【高3国語】共通テスト古文の共通テスト対策をやりました②(2025/10/23)
共通テストの問題を読んでて、まるで知らない世界の会話を聞いてるみたいに感じたことはありませんか? 今日はそんな「現代文の読みにくさ」の正体を、シンプルに解き明かします。
色々な塾やインターネット記事の謳い文句を見ていると、「読めない」の原因が読み手の読解力にあるのではないか、と多くの方が思うかもしれません。しかし、「読解力」とは何でしょうか。
大人でも今いきなりハイデガーとかカントとかの哲学書を渡されてスラスラと読める人はそうそういませんが、その方々には「読解力」がないのでしょうか。私はそうではないと思います。
今回は、文章自体の難易度に注目してみたときに、読んでいる最中に「難しい」と感じる理由とそれに対処する方法を考えたいと思います。現代文の中でも特に難易度が難しく感じやすい論説について書いてきます。
論説が難しく感じる理由のうち、多くの人が対策をしないでなんとなく読んでしまう理由の一つが、非常にシンプルなことではありますが、文章に書いてある語彙や単語が初めて見るものが多いということがあります。
冒頭で触れた「読解力」というのはどちらかというと、論理や対比構造を見抜く力というように使われることが多いですが、むしろ問題は、それ以前に、「言葉が分からないとき」にどうすればいいのかが分からないことにあるのではないでしょうか。
今回はこの対処法についてまとめていきたいと思います。
初見の難しそうな言葉が出てきた瞬間、人間は理解ではなく防御のモードに入ります。 『ウッ』となって、頭が情報を閉ざしてしまう。ここをどう越えるかが勝負です。
特に共通テストという生徒にとっては一世一代の大勝負で、精神的に動揺して本領発揮できなかった、なんてことは絶対に防ぎたいというのが私の願いです。そこで、難しく感じても次のように考えてほしいのです。
「現代文は日本語による日本語の翻訳作業である」と。
「翻訳作業」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、これはみなさんが英語の長文を読むときに自然とやっている作業と同じです。
難しい英文解釈で「対比の構造から意味を予想する」「知っている同義語に置き換える」、「概念の関係性を図にする」といったアプローチを学ぶことがあるかもしれませんが、なぜか日本語になると「文字通り読む」ことだけに固執してしまう人が多いのが事実です。しかし、難易度の高い現代文を読むコツも、実はこの「外国語を読むときのアプローチ」を日本語に適用する一点にあるのです。
実際に例を用いて説明します。 次の文章をまずは文字通り理解しようとしてみてください。
(A)『待ち合わせにまつわる期待と不安は、「社会秩序はいかにして可能か」という定式で知られ、社会(学)の起源に位置する秩序問題に触れている。』
(B)『限定された活動パターンと閉じた活動範囲で成立する共同体では、集団のメンバーの各身体の所在地や活動の時間パターンを比較的容易に把握・予期できる。』
いかがでしょうか。 これらは共通テストの2025年の追試の過去問の第一問からの抜粋で、実際に授業でも扱ったものです。 一回読んだだけで文字通り理解しようとすると、どういうことなのかよく分からず、もう一度読み返すなんてことがあるかもしれません。
ここで内容がよくわからないからと言って何度も読み返してしまったり、理解しないまま先に進んで結局問題を解くときに何度も見返してしまうというのがありがちで、かつ間違った読み方です。
では、上の例文を同じ日本語で翻訳してみるとどうでしょうか。少し考えてみてください。
私の場合、授業で話した内容を踏まえ、次のような翻訳にしてみます(具体的な方法論はここでは割愛します)。
(A)『待ち合わせには期待と不安がつきもので、これは社会秩序がどのようにして成り立つのかという社会学の最も基本的な問題に関わる。』 (B)『学校のように毎日パターンが決まっていれば、誰がどこにいるのか、どうやって学校まで来るのかが簡単に予測できる。』
ここまでくれば、文章の意味を理解する段階にすぐにたどり着くことができます(実際の授業ではここからさらに文章の言いたいことをさらに簡単に理解できるレベルまでかみ砕きました)。 日本語を翻訳するという観点がなかった場合には、これから練習していくことで、少しでも「読める」と感じる文章が増えるはずです。
今後は、難しい現代文に出会ったら、「翻訳モード」に切り替えてみてください。 何を言っているのかが分からないまま読み進めたり、何度も読み返さないといけない状況を防ぐことができるようになっていきます。
小野塾
電話番号 029-828-8993 住所 〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-7-8 グランシャリオ竹園101
25/10/29
25/10/23
TOP
共通テストの問題を読んでて、まるで知らない世界の会話を聞いてるみたいに感じたことはありませんか?
今日はそんな「現代文の読みにくさ」の正体を、シンプルに解き明かします。
色々な塾やインターネット記事の謳い文句を見ていると、「読めない」の原因が読み手の読解力にあるのではないか、と多くの方が思うかもしれません。しかし、「読解力」とは何でしょうか。
大人でも今いきなりハイデガーとかカントとかの哲学書を渡されてスラスラと読める人はそうそういませんが、その方々には「読解力」がないのでしょうか。私はそうではないと思います。
今回は、文章自体の難易度に注目してみたときに、読んでいる最中に「難しい」と感じる理由とそれに対処する方法を考えたいと思います。現代文の中でも特に難易度が難しく感じやすい論説について書いてきます。
論説が難しく感じる理由のうち、多くの人が対策をしないでなんとなく読んでしまう理由の一つが、非常にシンプルなことではありますが、文章に書いてある語彙や単語が初めて見るものが多いということがあります。
冒頭で触れた「読解力」というのはどちらかというと、論理や対比構造を見抜く力というように使われることが多いですが、むしろ問題は、それ以前に、「言葉が分からないとき」にどうすればいいのかが分からないことにあるのではないでしょうか。
今回はこの対処法についてまとめていきたいと思います。
初見の難しそうな言葉が出てきた瞬間、人間は理解ではなく防御のモードに入ります。
『ウッ』となって、頭が情報を閉ざしてしまう。ここをどう越えるかが勝負です。
特に共通テストという生徒にとっては一世一代の大勝負で、精神的に動揺して本領発揮できなかった、なんてことは絶対に防ぎたいというのが私の願いです。そこで、難しく感じても次のように考えてほしいのです。
「現代文は日本語による日本語の翻訳作業である」と。
「翻訳作業」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、これはみなさんが英語の長文を読むときに自然とやっている作業と同じです。
難しい英文解釈で「対比の構造から意味を予想する」「知っている同義語に置き換える」、「概念の関係性を図にする」といったアプローチを学ぶことがあるかもしれませんが、なぜか日本語になると「文字通り読む」ことだけに固執してしまう人が多いのが事実です。しかし、難易度の高い現代文を読むコツも、実はこの「外国語を読むときのアプローチ」を日本語に適用する一点にあるのです。
実際に例を用いて説明します。
次の文章をまずは文字通り理解しようとしてみてください。
(A)『待ち合わせにまつわる期待と不安は、「社会秩序はいかにして可能か」という定式で知られ、社会(学)の起源に位置する秩序問題に触れている。』
(B)『限定された活動パターンと閉じた活動範囲で成立する共同体では、集団のメンバーの各身体の所在地や活動の時間パターンを比較的容易に把握・予期できる。』
いかがでしょうか。
これらは共通テストの2025年の追試の過去問の第一問からの抜粋で、実際に授業でも扱ったものです。
一回読んだだけで文字通り理解しようとすると、どういうことなのかよく分からず、もう一度読み返すなんてことがあるかもしれません。
ここで内容がよくわからないからと言って何度も読み返してしまったり、理解しないまま先に進んで結局問題を解くときに何度も見返してしまうというのがありがちで、かつ間違った読み方です。
では、上の例文を同じ日本語で翻訳してみるとどうでしょうか。少し考えてみてください。
私の場合、授業で話した内容を踏まえ、次のような翻訳にしてみます(具体的な方法論はここでは割愛します)。
(A)『待ち合わせには期待と不安がつきもので、これは社会秩序がどのようにして成り立つのかという社会学の最も基本的な問題に関わる。』
(B)『学校のように毎日パターンが決まっていれば、誰がどこにいるのか、どうやって学校まで来るのかが簡単に予測できる。』
ここまでくれば、文章の意味を理解する段階にすぐにたどり着くことができます(実際の授業ではここからさらに文章の言いたいことをさらに簡単に理解できるレベルまでかみ砕きました)。
日本語を翻訳するという観点がなかった場合には、これから練習していくことで、少しでも「読める」と感じる文章が増えるはずです。
今後は、難しい現代文に出会ったら、「翻訳モード」に切り替えてみてください。
何を言っているのかが分からないまま読み進めたり、何度も読み返さないといけない状況を防ぐことができるようになっていきます。
小野塾
電話番号 029-828-8993
住所 〒305-0032 茨城県つくば市竹園2-7-8 グランシャリオ竹園101