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【中3理科】土一附属中3年テスト対策をしました。(2025/10/14)
遺伝の法則は中学生物の代表格です。この分野は問題の難易度の上がり方にもきちんとしたパターンがあります。
つまり、「どんなタイプの問題があるか」と「見極め方」さえわかっていれば、怖くありません。
遺伝の法則の分野で原点とも言える知識は「減数分裂」です。
有性生殖の場合、両親の遺伝子の半分ずつが子の代に受け継がれます。単純に細胞の数が増えていく体細胞分裂と対比して、この生殖に関する特別な細胞分裂が「減数分裂」です。
遺伝子とはその生物の特徴を決める情報が載ったプリントのようなもので、それを両親からそれぞれ受け継ぐと、それぞれの特徴を持った子ができます。
この「特徴」のことを、理科の用語で「形質」と言います。
また、遺伝した結果、優先的に現れる形質のことを顕性形質といい、これに対して優先的には現れない形質のことを潜性形質と言います。顕(あらわ)になる特徴と、潜(ひそ)んでしまう特徴ということです。
おそらく最もよく問題に出てくる形質の代表例は、「花の色」もしくは「種の形」ではないでしょうか。 他にも、生物の形質には、花弁の色や種の形だけでなく、葉の形や模様、茎の太さなど、問題では扱われないほど多くの種類があります。
各形質の中で、顕性と潜性の形質が対立するように、それぞれの形質同士というレベルでも遺伝子は対立しています。花弁が赤くて種の形がシワのものもあれば、花弁が赤いのは同じだけど、種の形は丸のものもある、ということが普通にあるわけです。このように各々が対立している遺伝子を対立遺伝子といい、それらが対立する法則のことを「独立の法則」と言います。
しかし、よく耳にする法則は、「分離の法則」ではないでしょうか。
ここで「独立の法則」と「分離の法則」をしっかり区別しておきましょう。 分離の法則というのは、減数分裂をした時の話です。
減数分裂すると同じ遺伝子の中での情報はバラバラになって子に受け継がれます。つまり、父と母の「どちらの遺伝子を受け継ぐか」は、偶然で決まるのです。これが分離の法則です。
分離の法則と独立の法則の概念としての違いをまず理解すると、遺伝の法則の問題の難易度分けがグッとわかりやすくなります。簡単にいうと、分離の法則だけを考えればいい問題は易しめです。それに対して、独立の法則を導入して考える必要のある問題は少し難易度が高くなります。
さらにもう一つ、問題の難易度を左右する重要な情報が問題文には隠されています。 それは「どの代の話なのか」です。問題のスタート地点である親の代での交配がどの遺伝子の組み合わせで行われ、その結果、子の代はどのようになるのか。そしてさらに、子の代で自家受粉をするのか、はたまた別の遺伝子のパターンとの交配を行うのかでまた問題の行き先は変わります(自家受粉というのは、同じ遺伝子の組み合わせ同士の交配と考えていただければ大丈夫です)。孫の代まである問題はさらに複雑になりますし、ひ孫の代まで考えないといけない問題は最高レベルに難しいと言えます。
多くの生徒は、一番最初にやる問題のやり方を丸暗記しようとします。 こうなると、「せいぜい孫の代まで、自家受粉のみ、分離の法則だけ考えればいい、何か一つの形質についての問題」に対応できるようになるのが関の山です。
一番最初にやる問題というのは、最も基本的で、最も簡単で、最も模範的だからです。しかし、それを暗記して覚えただけでは、それ以上のレベルには到達できません。 難易度の高い問題に直面したときに頑張って考えたつもりになって、勘で書いたら当たった、当たらなかったというレベルで止まってしまいます。
もっと大事なことは、この分野における問題の条件のパターンとそれぞれに対処するための視点を身につけておくことです。
むしろこうした方が「覚えるべきこと」が激減します。
遺伝の法則の分野であれば、下記の点を押さえましょう。 ・分離の法則だけを考慮すればいいのか、独立の法則も考慮しなければいけないのか。 ・どの代までの交配を行なっている実験なのか。その際自家受粉のみが繰り返されるのか、それとも途中で別の遺伝子との交配が行われるのか。 ・(交配が行われるたびに)どういう遺伝子の組み合わせで交配が行われているのか。
※たまに、完全に顕性・潜性で分かれないパターンの問題があります。「花弁の色の形質について、赤と白と桃色が出てくる」のような問題です。この場合でも上記の視点は変わりません。
中学レベルの問題であれば、どの教科であっても暗記でなんとかなるというのは一理あります。 公立高校の入試に必要な5教科の知識を教科書のページに変換すると2500ページ分というのも聞いたことがあります。確かに丸暗記で及第点を取るのが無理な数字ではないかもしれません。
しかし、本当に暗記するべきこと以外を暗記しようとするのは場当たり的で、今の勉強のゴールを高校受験や考査においてしまっている証拠に他なりません。
勉強は生涯続きます。
その時に大事なのは、効率よく、印象に残しやすい形で、要点を抑える能力です。
中学の時からこの視点を身につけられる人は、丸暗記で何とかしている人に対して高校以降の学習効率も飛躍的に向上していくことでしょう。
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25/10/29
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遺伝の法則は中学生物の代表格です。この分野は問題の難易度の上がり方にもきちんとしたパターンがあります。
つまり、「どんなタイプの問題があるか」と「見極め方」さえわかっていれば、怖くありません。
遺伝の法則の分野で原点とも言える知識は「減数分裂」です。
有性生殖の場合、両親の遺伝子の半分ずつが子の代に受け継がれます。単純に細胞の数が増えていく体細胞分裂と対比して、この生殖に関する特別な細胞分裂が「減数分裂」です。
遺伝子とはその生物の特徴を決める情報が載ったプリントのようなもので、それを両親からそれぞれ受け継ぐと、それぞれの特徴を持った子ができます。
この「特徴」のことを、理科の用語で「形質」と言います。
また、遺伝した結果、優先的に現れる形質のことを顕性形質といい、これに対して優先的には現れない形質のことを潜性形質と言います。顕(あらわ)になる特徴と、潜(ひそ)んでしまう特徴ということです。
おそらく最もよく問題に出てくる形質の代表例は、「花の色」もしくは「種の形」ではないでしょうか。
他にも、生物の形質には、花弁の色や種の形だけでなく、葉の形や模様、茎の太さなど、問題では扱われないほど多くの種類があります。
各形質の中で、顕性と潜性の形質が対立するように、それぞれの形質同士というレベルでも遺伝子は対立しています。花弁が赤くて種の形がシワのものもあれば、花弁が赤いのは同じだけど、種の形は丸のものもある、ということが普通にあるわけです。このように各々が対立している遺伝子を対立遺伝子といい、それらが対立する法則のことを「独立の法則」と言います。
しかし、よく耳にする法則は、「分離の法則」ではないでしょうか。
ここで「独立の法則」と「分離の法則」をしっかり区別しておきましょう。
分離の法則というのは、減数分裂をした時の話です。
減数分裂すると同じ遺伝子の中での情報はバラバラになって子に受け継がれます。つまり、父と母の「どちらの遺伝子を受け継ぐか」は、偶然で決まるのです。これが分離の法則です。
分離の法則と独立の法則の概念としての違いをまず理解すると、遺伝の法則の問題の難易度分けがグッとわかりやすくなります。簡単にいうと、分離の法則だけを考えればいい問題は易しめです。それに対して、独立の法則を導入して考える必要のある問題は少し難易度が高くなります。
さらにもう一つ、問題の難易度を左右する重要な情報が問題文には隠されています。
それは「どの代の話なのか」です。問題のスタート地点である親の代での交配がどの遺伝子の組み合わせで行われ、その結果、子の代はどのようになるのか。そしてさらに、子の代で自家受粉をするのか、はたまた別の遺伝子のパターンとの交配を行うのかでまた問題の行き先は変わります(自家受粉というのは、同じ遺伝子の組み合わせ同士の交配と考えていただければ大丈夫です)。孫の代まである問題はさらに複雑になりますし、ひ孫の代まで考えないといけない問題は最高レベルに難しいと言えます。
多くの生徒は、一番最初にやる問題のやり方を丸暗記しようとします。
こうなると、「せいぜい孫の代まで、自家受粉のみ、分離の法則だけ考えればいい、何か一つの形質についての問題」に対応できるようになるのが関の山です。
一番最初にやる問題というのは、最も基本的で、最も簡単で、最も模範的だからです。しかし、それを暗記して覚えただけでは、それ以上のレベルには到達できません。
難易度の高い問題に直面したときに頑張って考えたつもりになって、勘で書いたら当たった、当たらなかったというレベルで止まってしまいます。
もっと大事なことは、この分野における問題の条件のパターンとそれぞれに対処するための視点を身につけておくことです。
むしろこうした方が「覚えるべきこと」が激減します。
遺伝の法則の分野であれば、下記の点を押さえましょう。
・分離の法則だけを考慮すればいいのか、独立の法則も考慮しなければいけないのか。
・どの代までの交配を行なっている実験なのか。その際自家受粉のみが繰り返されるのか、それとも途中で別の遺伝子との交配が行われるのか。
・(交配が行われるたびに)どういう遺伝子の組み合わせで交配が行われているのか。
※たまに、完全に顕性・潜性で分かれないパターンの問題があります。「花弁の色の形質について、赤と白と桃色が出てくる」のような問題です。この場合でも上記の視点は変わりません。
中学レベルの問題であれば、どの教科であっても暗記でなんとかなるというのは一理あります。
公立高校の入試に必要な5教科の知識を教科書のページに変換すると2500ページ分というのも聞いたことがあります。確かに丸暗記で及第点を取るのが無理な数字ではないかもしれません。
しかし、本当に暗記するべきこと以外を暗記しようとするのは場当たり的で、今の勉強のゴールを高校受験や考査においてしまっている証拠に他なりません。
勉強は生涯続きます。
その時に大事なのは、効率よく、印象に残しやすい形で、要点を抑える能力です。
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